【第7回】記憶に頼る仕事の仕方はNG!

「あ、この作業やり忘れてた…」「資料の修正、漏れてて怒られた…」など、仕事上の実施漏れに悩んでいませんか?
こういったミスをよく起こす方の多くは、メモを取らずに記憶に頼って仕事をしている傾向にあります。
その結果、漏れの原因を「意識が足りていなかった」「油断していた」など、精神論に持ち込みがちです。
一方、日々の業務で対応するタスクは複雑で量も多く、突発事項も頻繁に発生するはずです。
そんな中、全てを頭の中だけで記憶して完結させるのはそもそも無理で、「意識」「油断」といった次元の問題ではありません。
そこで今回は、業務における実施漏れを防ぐための具体的アクションと習慣化の方法について、整理していきます。
1.「人は忘れる生き物」だと認識する
- 日々の業務は膨大で、割り込みも当たり前
打合せや会話、メール、チャットなど、あらゆるところからタスクは発生します。
また、抱えていたタスクに関する追加要望や修正も、頻繁に発生します。
つまり、単に記憶するだけでなく、内容を理解・咀嚼してタスクに反映することにも、思考は費やされます。
このような状況で、一つ残らず記憶するのはそもそも不可能です。 - 慣れによって、メモをとる習慣自体も失いがちになる
担当している仕事に慣れてくると、新しく覚える知識が減っていくことで、「まあ、このくらいは覚えられるだろう」と思いがちです。
そして、メモをとること自体も若手メンバーに任せるようになり、メモ自体をとらなくなる方もいらっしゃいます。
ただし、慣れている分、様々な依頼を受けることも多いはずで、それによって忘れやすい状況が生まれます。
「おい、ちゃんとメモとれよ」、などと、メンバーに指示しているだけになっていませんか?
もしも、今担当している領域で非常に高い評価を受けていて、それが退職まで続く保証があるのであれば、今後もメモは取らなくてもいいでしょう。
ただし、その保証がないのであれば、しっかりとメモをとる習慣を身に着ける必要があります。
メモの力は、単に実施漏れを防ぐだけでなく、新しい知識を身に着ける上でも非常に効果が高いので、変化への適応力も高まることでしょう。
2.「メモをとる習慣」を身につけるには?
重要なのは、 タイミング(When)とツール(How)を事前に決めておくことです。
この時、出来る限り、シンプルな内容に定めるようにしましょう。
- When:いつメモをとるか?
例えば、「会議が始まる前にノートを開いて、日付・議題を記載。確認事項・決定事項はリアルタイムで書く」「チャットで依頼に気づいたら、まずはメモ帳アプリにコピペしてから返信を考える」など、具体的なきっかけを決めておくことです。
これにより、メモをとる行為にアンテナ(意識)が張られるようになります。
そうすれば、「あ、メモ取り忘れた!このタイミングも追加しておこう」と、考えるようになります。 - How:何を使ってメモをとるか?
手段は、紙のノート・PCのメモ帳アプリ・高機能テキストエディタ・スマホアプリなど、なんでも良いです。
自分がパッとメモをとりやすいツールを選択しましょう。
「状況に合わせて、できる限り良いツールを選ぼう」などと考えると、逆にツール選びに億劫になり、メモをとらなくなります。
それは本末転倒なので、まずは「今の自分には一旦これかな」、と一つに絞って使ってみるのがおすすめです。
3.ルール化→実践→振り返り→修正→再実践のサイクル
新しい習慣が身につくには、平均66日かかるという研究結果があります。
特に、最初の3週間は不慣れでネガティブな感情が起きやすいものです。
最初から完璧を目指すのではなく、まずは一週間ずつ区切って、うまく出来ても出来なくても、気にせず振り返りをしましょう。
- まずは、1週間試してみる
とにかくシンプルなルール(WhenとHow)を定めて、「この1週間はこれでやる」と決めましょう。 - 1週間後に振り返り
うまく出来たものは、継続。
出来なかったものは、「どこが自分の性格・習慣に合わなかったかな?」と、感情や行動習慣の目線で原因を考えましょう。
ちょっとこのルールは面倒だったなーであれば、ルールを簡単なものにしましょう。
メモ帳アプリだと行数表示がないから書きづらかったんだよなーであれば、行数表示がされるフリーソフトをダウンロードしましょう。
とにかく、「今の自分が、苦を感じずに、楽に続けられる手段」を選びましょう。 - ルールを修正して再度1週間試す、を繰り返す
これを繰り返すうちに、「自分がやりやすい形のルール」が自然と形成されていきます。
この頃には脳内にもルールが染みついて、いわゆる「習慣化」がほぼ完成となります。
一方で、習慣化の道のりでは、陥りがちな罠も存在するので、注意しましょう。
- 注意点1:絶対に自分を責めないこと
最悪なのは、続かなかった時に「もっとちゃんと頑張らなきゃ」「こんなんじゃダメだ」などと、気合い・根性を原因に自分を責めることです。
そんなのはもって1日で、2日目には「ダメだ、やっぱりめんどくさいから今日はいいや」と考えて、また自己嫌悪に陥るだけです。 - 注意点2:気持ちが高まっている時に、あれこれルールを増やさないこと
「こうするともっと良くなりそう!」と改善案が思いついた時は、一つ注意ポイントです。
もちろん、手軽に効果が高いものは取り入れれば良いのですが、あれもこれもとやろうとするのは危険です。
思いついた瞬間は気持ちが高まっているので出来ますが、果たして気分や体調が良くないときにも同じようにできるでしょうか?
大事なのは、「悪い状態でも、苦がなく続けられること」であり、それが習慣化です。
くれぐれも、「良い状態」を前提に考えないようにしましょう。
4.人は「忘れる生き物」である一方、「慣れる生き物」でもある
ご飯を食べたらお風呂に入る、夜寝る前には歯を磨く。
毎日やっていれば何でもないことで、むしろやらないと気持ちが悪いはずです。
要するに、慣れてさえしまえば、「頑張ってやる」ではなく、「やらないと気が済まない」になるのです。
「慣れるまで66日」と考えると長く感じるかもしれませんが、慣れてしまえばその後は数カ月・数年、それ以上と勝手に続いていきます。
是非、「慣れた後に得られる恩恵」を起点に考えて、メモをとる習慣作りを目指してみましょう。
6.まとめ
- 仕事の漏れは“記憶頼り”が原因
忘れやすい環境で、すべてを脳内で管理しようとするのは無理がある。 - メモを習慣化するカギは“タイミング”と“ツール”
“いつメモをとるか”“どのツールで書くか”をルール化し、まずは1週間単位で実践・振り返りを回そう。 - 人は忘れるが、慣れもする
仕組みを作ってしまえば、繰り返しの中で自然と定着。結果的に業務効率が上がり、ミスや漏れも激減する。
「自分にはメモを取る習慣なんてないから、できるわけがない」と思わず、まずはルールを1つ決めて1週間やってみる、から始めてみましょう。
そうすれば、今よりも高いレベルで業務を遂行できるはずです。
仕事の漏れに怯えない、安心感のある働き方を一緒に手に入れましょう!

