【第3回】謙虚さが足りないことで生じる致命傷

新しい環境に飛び込むとき、誰だってスタートダッシュを決めたいと思うものです。
ただ、その焦りが思わぬ落とし穴になることもあります。

1.「自分で何とかしよう」と思うことの弊害

「いきなり弱音は吐けない」「ここで結果を出さなきゃ」と気負うあまり、周囲からのアドバイスを無意識にシャットアウトしてしまう。
そして、うまくいかなかったときに「自分でなんとかする」「できるはず」と抱え込んでしまい、相談するタイミングを失ってしまう。
そうした状況が、やがて大きな問題に発展してしまいます。

悪い結果が出始めると、それを隠したり、「状況が急に変わった」などと他責にしてしまうことも生じます。
当然それでは状況は改善せず、エスカレーションするころには、チームとして手遅れな状態になってまい、それを見てまた「何とかリカバリしなくては」と気負ってしまう。
これが続くと、周囲からの信用を完全に失い、厳しい指摘や冷たい視線が当たり前の状態になってしまいます。

それでも相談できず、周囲のサポートに対しても、「大丈夫です」と思ってもいない返答を繰り返してしまう。
そして気づいたら、立ち直れないレベルでメンタルダウンし、身体の症状として初めて限界に気づく。
そこでやっと、「もっと早く相談していれば」と振り返り、本音で相談し始めるのですが、プロジェクトの現場では時すでに遅しという状況に陥っているのです。

2.このような思いになってしまうタイミングとは?

こうした事態は、転職・転勤など、「環境が変わるタイミング」で起きやすいように感じます。
転職で言えば、例えば、SEからITコンサルタント、営業からマーケティングなど、一見似ているようで実際にはかなり異なる職種に就く時。
前職での実績がある分、「ベースは同じだろう」という誤った認識が生まれやすく、無意識に謙虚さが失われてしまうのかもしれません。

では、こういった事態に陥らないために、つまり「相談する勇気」「謙虚に学ぶ姿勢」を持つためには、どんなアクションが有効なのでしょうか?
これには色々あると思いますが、私の経験や周囲の方々を見る限り、以下3点が特に重要だと考えています。

3.どうすれば、常に謙虚でいられるのか?

  1. 自分の「知らない」を受け入れる
    新しい環境では、「わからないことはあって当然」「何を言われようが、わからなければ物事は進められない」と自分に言い聞かせることが大事です。
    「知らない」と認めることで、自然と質問や相談のハードルが下がります。
  2. 相談のための時間をスケジュール化する
    日々のタスクに追われると、相談を後回しにしてしまいがちです。
    そのため、週1回でもいいので、「相談・確認のための時間」をカレンダーに設定し、その時間を周囲と共有しましょう。
    そしてそこでは、「できたこと」「できなかったこと」「悩んでいること」を、正直に打ち明けましょう。
  3. 小さな成果でも報告する
    相談で受けたアドバイスは必ず実践し、結果をこまめに報告することで、周囲からの信頼を築けます。
    うまくいかなかった場合、そもそもやろうと思ったけどできなかった場合も、前進できた証拠であり、大事な成果です。
    「相談する→実践する→報告する」の流れが、結果的に自信や周囲からの評価につながっていきます。

新しい環境では、まず謙虚に学び、相談する勇気を持つことで、信頼を積み重ねていくことが重要です。
一見遠回りに思えるかもしれませんが、これが結果的には最速の道ではないか、と考えています。

「相談」「学び」「実践」を繰り返し、一緒に力強いスタート、そして成長を目指していきましょう!